ERB作品感想文集
『ターザンの復讐』
ハヤカワ文庫特別版SF『ターザンの復讐』
by satoco m.
私の個人図書室にはどうも間が抜けているシリーズが多いようだ。その中でもどうしても集まらなかったのがこのターザンシリーズである。
1巻と3巻を持っていて2巻が抜けているので、なぜターザンがグレイストーク卿になったのか、ジェーンとはどうなったのか全くわからないままだった。
この「ターザンの復讐」でそのなぞは解けたし、ロコフと言う人物がなぜあんなに恨みを持っているのかもわかった。(でも心理は理解できない・・・単なる逆恨みじゃないか〜!!)
後の巻に出てくる人物の多くがこの2巻に登場しているので、これでつながりがやっとついたとすっきりした。これは一番映画にするには適しているかもしれない。なんて言ったって不屈の冒険活劇なのだから。
ラストでクレイトンを病死させたのがあっけなくてちょっと寂しい。どうせならさわやかに武器なしの決闘で勝ち取って欲しかったなぁ。
やっぱりペルシダーのように欲しい女性は力づくでほかの男から奪い取る(もちろん女性の気持ちを知っての上でだが)、これが一番すかっとする。
目まぐるしくいろんな舞台が出てきてそれにターザンがかかわるのだが、ターザンがお金持ちになったのもこの黄金都市を見つけたからなのね・・・と納得してしまった。
後の巻で黄金都市の女性司祭ラーがターザンに愛情をいだくのだが、この2巻でその気持ちのやりとりが少し出てくる。これは次回作を考えて書いていたのだろうか?それとも漫画の週刊少年ジャンプのように後ろに引っ張っただけだろうか?
まあそれは天国にいる作者に聞くしかない。
以上
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