by おかぴー
おかぴーの勝手に、しゃべらせて・・
― 私の独断と偏見にみちた感想を読む前のご注意・・・
お願いします。
ほかの、ご本についても、読み次第、書きたいと、思います。
ムーンシリーズについて・・
最初、月の地底王国だけを読んだときの私の感想って、ものすごく単純でした。
えーい、なんて、ジュリアン5世って、性格の悪い奴なんだあ・・・です。
これが、主人公なの?なぜ、なぜです。
だって、ライバルのオルチスのことをさんざん、もちあげておいてから、かならず、最後には、でも、自分の方がすぐれてたと、しつこいくらい入れるところ・・
だいたい、バローズさんの世界にでてくる、いわゆる1人称で書かれてるヒーローさん方って、みなさん、かなりご自分に自信があり、これは、ひとつまちがえると、鼻持ちならないですわよって、いいたくなるときもありますが、皆様、どこか、愛するべき魅力があって、それに、アメリカ人の方っていうのは、自分をアピールすることを大切の思ってらっしゃる文化背景があるから、いいかと思ったのです。
しかし、ジュリアン5世さんの場合は、他人との比較で、自分の優秀さをのべているのが、がまんできないーーーーって、思いました。
そして、絶対これは、書かれてないけど、ふだんの態度に充分あらわれていて、余計、オルチスは、頭にきただろうと思います。
ただ、オルチスは、嫌いですけどね。
しかし、どうして、そろいもそろって、バローズさんのヒーローさん方って、にぶいんでしょうね。ナー・エエ・ラーが、あきめくらって言った時、もっと、もっと言ってあげなさいって、余計なお世話ですが、言いたかったです。
おまけに、もう少しで、彼女に告白までさせちゃいそうになるなんて、ナー・エエ・ラーの方が、ずっと素直で純粋で、けなげだあ・・と思いました。
彼は、どっちかというと、傷つくのが嫌で、自分の気持ちと向かい合いになるのを
さけてるんじゃないのとか、思っていましたので・・・
あと、最後のひっちゃかめっちゃかになった、月世界をほっといちゃって、好きな女の人だけつれて、地球に帰っちゃったというのも、好きじゃなかったですよね。
だから、ムーンシリーズって、おもしろくないと、思ったのですが・・
次の月人の地球征服を読み終えることにより、考えが変わるのを感じました。
つまり、私は、ムーンシリーズに対して、火星シリーズや、金星シリーズと同じものを望んで読んでいたのですね。たしかに、ムーンシリーズの一冊目は、そういうものを期待させる要素があったし・・・
でも、ここにいたって、これは、そういうお話ではないと思いました。
さらに、これは、今、手に入れて、読んでよかったとも・・
もし、これを当初、私が買おうと迷った年頃に買っていたとしたら、どうかしらと、または、火星シリーズを最初に読まなくて、ムーンシリーズを一番最初に読んでいたら、どうなっていたかと・・
これは、舞台こそ、2000年生まれのジュリアン5世のお話から、はじまっていますが、かなり、これが書かれた時代の思想とか、文化的背景を、色濃く反映していると、思います。
だから、2000年の今、読むと、ううっ、これついていけないっていう部分がかなりありました。おまけに、人がたくさん死にすぎる・・と。
でも、これは、その時代の限界かなって思ったりして、にしても、単純にそれだけでは、わりきれないなにかを、このシリーズは表現しています。
ジュリアン9世なんか、かなり単純で、そんないきあたりばったりの生きかたして、どうするのとか、思ったり、ジュリアン20世にいたっては、考え方が、せまいようとか、思いました。
しかし、今まで、どちらかというと、完璧に近く、なんでも、うまくいきすぎたヒーローさん方と違い、人間的な欠点をすごく色濃くだしながら、それなりに、めざめて、ころびながらも生きていると、思いました。
それに、なにより、ジュリアンさん方は、前世のこと生まれ変わった未来のことを覚えていると言っても、ほかの方々とちがい、永遠の命を持っているわけではない・・
やることが、すべて都合いくわけじゃない・・命をかけても、自分の信念をつらなくては、ならない・・現に、そのため、命を落としてしまう・・
生きていく世界も、あまりにも、未熟で、悲しすぎたりして・・
しかし、このムーンシリーズの、最後のレッドホークでの、完結の仕方・・
これは、やっぱり、バローズさんだあ・・と思いました。
海を求めて、進軍する姿は、アメリカのフロンティア精神、自らの偏見をすて、宿敵の子孫と結ばれる愛の勝利・・
それに、小さなエピソードですが、弟レイン・クラウドとの対話、奴隷のおばあさんとの対話・・
心に、じーんと残りました。
ぜひ、ムーンシリーズは、全部、最後まできっちり、読んで欲しいですね。
これが、私のムーンシーズに対する感想です。