Cover Art by Michael Whelan
contents/内容
A Princess of Mars / 火星のプリンセス
comment/コメント
ターザン以外のペーパーバックが手にはいるとは思っていなかったので、意外な思いと、うれしさとがある。本書はいまだに新刊で入手できる! これは全国の(全世界の?)バローズ・ファンにとって朗報というべきだろう。値段も安く、amazon.co.jpなどでは500円そこそこで購入できる。
デル・レイ・ブックはバランタイン・ブックス社がレスター・デル・レイの監修ではじめたSF叢書で、本書の場合は内容としては従来のバランタイン・ブックスの内容はそのままに表紙だけ変えたものなのだろう。表紙のマイクル・ウィーランはファンタジー性の高いSFのアートでは知られた存在で、さすがにシャープで美しい絵を描く。原作の描写に近い、という点では武部本一郎を凌ぐかもしれないが、緑色人はもう少し強そうであってほしいと考えては、だめなのだろうか?
表紙はデジャー・ソリスを腕にかき抱くジョン・カーター。緑色人を倒しているところから見て、デジャー・ソリスに狼藉を働いたドタールだかソジャットだかを瞬殺した場面と思われる。かつては栄華を極めた古代火星人の遺跡とふたつの月の描写が見事で、絵的に美しいものに仕上がっている。