現代科学の粋を集めた地底探検ロケットが、ついに発見した謎の世界!
そこは不気味な巨大怪獣が人間を支配していた!
ネス湖のネッシー、ヒマラヤの雪男、UFO、バミューダ海域の謎の三角地帯、そして地球のあちこちにポッカリと口を開けている“穴”……。私たちの地球上にその真相が解明されないままのミステリアスな現象の数々は、現代人に大きな楽しみと夢を与えている。
「ターザン」シリーズや「恐竜の島」の原作者であるエドガー・ライス・バロウズの「地底世界ペルシダー」シリーズは〈地球空洞説〉に取材した冒険SF小説として広く親しまれている。この種の小説には、ルドビッヒ・フォン・ホルベルクの「地底世界への旅」、アダム・シーボンの「シムゾニア」、ジュール・ベルヌの「地底旅行」などの先輩著書があるが、「ペルシダー」シリーズは、内容の豊富さとおもしろさで圧倒的だといえよう。当作品は、その第一作目の「地底の世界ペルシダー」の映画化である。
“鉄もぐら”と名づけられた地底探検ロケットに乗った科学者とその後援者の青年が、地底に広がる別世界ペルシター――無限に輝く太陽。水平線も、時間も、方位も、昼夜の別もない世界、そして海と陸の分布が地表とは逆になっている世界。怪奇な動物と人類の世界――に落ちこみ、スリルとサスペンスにあふれた冒険をするという物語。
それは、映画にとって格好な素材である。登場する怪獣も、普通の恐竜たちではない。タカの頭部を持ち2本足でのし歩く体長8〜10mの怪獣。4本の大きな角とタテガミのあるサイと恐竜のあいの子のような巨獣、ボス。カバに似た頭に鋭い歯をそなえた巨大な爬虫類のサウルス。ワニのような口から火炎を吐き、ひき蛙を思わせるからだに長い尾を持つ体重数トンの両棲類モゾプ。化物のタコのような触千をくねらせる人喰植物。そしてペルシダーを支配する翼竜のようなメーハー族、その輩下の猿人サゴスなどなど、ゆたかな想像力のたのしい産物である。
出演は「恐竜の島」のダグ・マックルアー、「ドラキュラ」のピーター・カッシング、「シンドバッド黄金の航海」のキャロライン・マンロー、「恐竜の島」のゴッドフリー・ジェームズなど。
製作総指揮はハリー・N・ブラム。プロデューサーのジョン・ダークと監督のケビン・コナーはともに前作「恐竜の島」でコンビを組んでいる。(イギリス映画)
原題:AT THE EARTH'S CORE
原作:「地底世界ペルシダー」(ハヤカワ文庫SF)/「地底の世界ペルシダー」(創元推理文庫SF)
製作年:1976年
上映時間:90分
コロムビア映画(英)
製作総指揮 …… ハリー・N・ブラム 製作 …… ジョン・ダーク 監督 …… ケビン・コナー 原作 …… エドガー・ライス・バロウズ 脚本 …… ミルトン・サボットスキー 撮影 …… アラン・ヒューム 美術 …… モーリス・カーター 音楽 …… マイク・ビッカーズ
ダグ・マックルーア
Doug McClure…… デイビッド
Davidピーター・カッシング
Peter Cushing…… ペリー
Dr. Abner Perryキャロライン・マンロー
Caroline Munro…… ディア
Diaサイ・グラント
Cy Grant…… ラー
Raゴッドフリー・ジェイムズ
Godfrey James…… ガーク
Ghakボビイ・パー
Bobby Parr…… サゴス首長 ショーン・リンチ …… フージャ マイクル・クレイン
Michael Crane…… ジュバル
Jubalヘレン・ギル
Helen Gill…… メイジー
Maisieアンディー・クロマティ
Andee Cromarty…… 女奴隷
Girl Slaveキース・バロン
Keith Barron……
一八九八年のある日。アメリカの科学者アブナー・ペリー博士(ピーター・カッシング)は、長い間の研究の成果を目のあたりにして感概にふけっていた。彼が心血を注いだ地底探検ロケットが完成したのだ。博士はこの巨大なマシーンをアイアン・モール(鉄もぐら)と名づけた。
“鉄もぐら”は全長42メートル。鋼鉄製の円筒のあたまに巨大な円錐形のドリルが装備され、地中で方向が変えられるように間接部もつくられている。内部は宇宙船のようだ。すごい出力を引き出すエンジンや発電機、操縦装置のほかに、酸素補給装置(大きな薬品タンク)、レーダー、各種計器類、通過する地質を自動的に分類する機械などでギッシリだ。座席は本体がどんな角度になろうと、常に一定の角度も保つように設計されている。
地球の内部がどうなっているかを実際に見て、その神秘のべールをはごうという博士の研究目的に興味を持ち、援助してきた富豪の青年デイビッド・イネス(ダグ・マックルアー)。彼は冒険好きではあったが、まさかそんなことになろうとは毛ほどにも想像していなかった。
出発の日。ペリー博士とデイビッドは“鉄もぐら”に乗りこんだ。エンジン始動! いよいよスタートだ。
ところが間もなく舵輪が故障し、機体は操縦の自由を失い暴走しはじめた。ものすごいスピードで地球の内部に向って突進。数時間の間、非常な高温帯と低温帯をほぼ交互に通過、ついにふたりとも意識を失った。
やがて気づいた彼らは、新鮮な空気と微光に包まれていることを知った。地表に戻れたと喜んだのだったが――。
ペリーとデイビッドは機体から出て、あたりの異様な光景に目を見はった。巨大な樹木、異臭を放つ得体の知れない草やキノコ類。地平線はなくざまざまな巨大怪獣が姿を見せ、一日中消えることのない太陽が輝く。ここは伝説で語られている地底の王国ペルシダーではないか? やはり実在していたのか?
探検に出て間もなく、ふたりはサゴス族という半人半獣の猿人類に捕えられた。これはあとでわかったことだが、地底の世界ペルシダーには三種族がそれぞれの分を守って生きているのだった。
この世界で支配者として君臨しているのはメーハー族と呼ばれる種族。トカゲのような頭部を持つ翼竜で、しかもメスだけ。処女受胎のように彼女たちは、誰のたすけもかりずに子供をつくる能力を持っている。しかし言葉をしゃべる能力がなく、仲間やその下の種族サゴス族にはテレパシーで話す。
サゴス族は、知能がなく、粗野で、メーハーの兵隊の役目をしている。
そして、いちばん下が“人類”で、知恵はあるが文明を持たない種族。サゴス族は彼らを“どれい”か召使いとしているのだった。そして、彼らの一部は飼育されて、マハール族の“食物”となる。“人類”がメーハー族と話したいときは、サゴス族の力を借りなければならなかった。
デイビッドとペリー博士は、どれい民族と同じ姿態をしていた為に、クサリにつながれて彼らといっしょに遠い土地へ連れてゆかれることになった。途中さまざまな危険が襲った。そして“人類”の美しい女性ディア(キャロイン・マンロー)を知ったデイビッドは、一目で彼女のとりこになってしまった。
デイビッドとペリー博士は、今までの冒険や知りあった“人類”の何人かの話しから、ペルシダーの全貌を知ることができた。
デイビッドは、メーハーやサゴスのもとから脱出する方向を考えているうちに“人類”をその残忍な支配から解放しようと、大胆で突飛な計画を持ち出した。
だが間もなく大事件が起り、彼は仲間たちと離れてしまった。ひとりぼっちになったデイビッドは、またも襲う新しい危険と闘いつづけるのだった。
ペリー博士とディアは? そしてデイビッドたちは地上に帰ることができるだろうか――
ご存じ、ケヴィン・コナー監督による『地底世界ペルシダー』の映画化作品。原作は『時間に忘れられた国』以上に恐竜世界なんだけど、でてくるのがほとんど怪獣なのはご愛敬というべきか。
キャストではピーター・カッシングと、なんといってもキャロライン・マンローが目を引く。原始時代映画(B級作品)にはつきもののグラマラスな美女。なかなか迫力ある巨乳ちゃんです。