火星シリーズ2 Barsoom series 2

神秘小説火星の神神(3)

中學生/第九巻第三號(大正13年3月号)


contents/目次


story/あらまし

茲に私と呼ぶものは、北米アリゾナの怪漢ジョン・カーターである。かれは一時火星に渡り、紅人族の王女デヂャ・トリスを妻としたが、地球へ帰ること二十年、後再び火星に渡った。そして紅人の國へ向ふ途で樹人類、白猩々、聖僧族等と闘ひ、妖婆イススを戴く原始族の地底王國にまで迷入ったが、遂に航空船を奪って、その國の貴族ゾーダル、及び紅人の俘虜少年と共に脱出した。少年は偶然にも愛児カートリスだった。そして再び紅人の國へ向ふ途中、聖僧族の國で別れた美女ツビヤに逢ひ、友人の勇士タルク・タルクスが廃墟の市に屯する浮浪蛮族に捕はれてゐると聞き、単身地下牢へ忍び入って、奇計を以て密にタルクスを救った。(原文は旧字・旧仮名遣いですが、変換できない文字は新字を使用しました)

pages/ページ

 
 

history/初出

The Gods of Mars, Jan.-May,1913, The All-Story
The Gods of Mars, 1918, A. C. McClurg

comment/コメント

 大正時代の中学生(現在の高校生?)向けの雑誌に掲載された、火星シリーズ。BEMの記事は既報だが、このたびついに! 現品を入手できたので、あらためて報告する。しかし、旧仮名遣いで書かれた火星シリーズの不思議さに、読んでいてもわくわくしてくる。OCRにはかからないので、いずれ部分だけでも手入力してお見せするが、バローズ・ファンなら記念に一冊は持っておきたい、歴史的書物。ただし、全巻など求めようとしたら、まず破産すると思う。
 イラストはけっこういいんだよねー。こちらも、いずれ。
 …というわけで、10年ぶりの全ページ公開。100年前の雑誌は取り扱いが怖い。壊れないようにギリギリのところでスキャナにかけたので、一部斜めになったり醜いところはご容赦願いたい。
しかし、3枚目の美女(スビア)も、最終ページの絵も、いいよねえ。

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