ゲスト・エッセイ Guest Essey for ERB's world


火星のプリンセス―合本版・火星シリーズ〈第1集〉

by 深水晶



 この本は1912年米国で、「ターザン」の作者でもあるバローズが、ノーマン・ビーンの名で「火星の月の下で」というタイトルで連載されたデビュー作を、1917年に現在のタイトルに改題し、筆名も本名であるバローズとして刊行した原作を、1979年に和訳したもの(最初に別の訳者により和訳されたのは1965年)を、合本版として3冊まとめて刊行されたものです。合計第4集まであり、それぞれ1,600円〜1,800円(この本は1,700円)となっており、少々値が張りますが、1冊600円あたりとみれば、そうひどく高いものでもありません。しかし、長編で字が細かく、しかも入手が困難であるため、手が出にくいかもしれません。もし、入手を考えるなら、書店で取り寄せするよりも、ネットで購入する方が早くて確実かもしれません。
 この物語はSFでスペース・オペラの先駆けで、ヒロイック・ファンタジーです。地球の1/3の重量しかない火星で、地球人としての筋力・運動能力を保持したまま、アリゾナから火星へと何故か飛んでしまった(←納得の行く説明はなされていませんが、それは考えてはいけません。むしろ火星を舞台にした冒険活劇だと思った方が良いです)南軍騎兵隊大尉ジョン・カーターが、獰猛で4本腕のある巨体の緑色人にいきなり捕らえられたり、地球人そっくりの赤色人で絶世の美女である、表紙にも描かれているデジャー・ソリスと出会ったりします。
 私は、緑色人であるタルス・タルカスがお気に入りです。彼は非常に良い「漢」だと思います。カントス・カンも良い味出しています(←少々得体が知れないとは思ったけれど)。
 パラマウント・ピクチャーズから、映画制作される予定だそうです。無事制作されて、日本で公開されると良いのですが(←先の監督の降板などある)、個人的にはデジャー・ソリスとタルス・タルカスの配役が気になります。無論、タルス・タルカスは特殊メイクでしょうが、もしかしてCGなんてことも有り得る……?(←CG加工はともかくCGキャラはちょっと嫌だと思っている)


comment

 個人的にメールでお付き合いしていたネット作家(というのかな?)の深水晶さんが、いつのまにやら当サイトを検索し、火星シリーズを全巻読破してくれた! ってことで、書評お願いしました。快く受けていただき、ありがとう、というところです
 で、先に某コミュニティサイトに掲載された関係で、予備知識のない一般読者向けの書き方になっていますが、いずれこのディープバージョンも書いてもらおうとお願いしてるところです。
 深水さんの作品は、「深水晶」でぐぐれば、簡単に見つけられます。


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