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“ターザン”を創り出した
エドガー・ライス・バローズの原作を
忠実に映画化した正統派ターザン映画!
アフリカ沖で海難事故にあったスコットランドの貴族、グレイストーク伯爵(ラルフ・リチャードソン)の息子夫婦がジャングルに打ちあげられ、妻はそこで赤ん坊を産むが間もなく赤ん坊を残して夫婦共に命を落としてしまう。その赤ん坊は自分の赤子をなくしたばかりだった雌猿に育てられ、類人猿たちの王者へと成長した。そんな折、彼が偶然助けた探検隊の生き残りが彼がグレイストーク伯爵の孫であることに気付き、彼、ジョン・チャールズ・クレイトン(クリストファー・ランバート)を連れてスコットランドに向かう。初めて文明社会に触れたジョンは、次第に文明社会に馴染んでいくのだが…。
伝説のヒーローターザンの
知られざる真の物語―。
Staff
製作/監督―ヒュー・ハドソン
製作―ガース・トーマス
原作―エドガー・ライス・バロウズ
特殊メイク―リック・ベイカー
Cast
ジョン・チャールズ・クレイトン―クリストファー・ランバート
グレイストーク伯爵―ラルフ・リチャードソン
ジェーン―アンディ・マクダウェル
comment/コメント
「原作に忠実」がうたい文句のターザン映画。ディズニーのアニメも、ジョー・ララのTVシリーズも、やはり原作を持ち出していました。ワイズミュラーに代表されるいわゆる「ターザン映画」が必ずしも原作を尊重していない、ということへのアンチテーゼであることは間違いありませんが、そういう映画が築いた高名があるからこその映像化企画であることも事実なので、なかなか奥が深いというか、矛盾をはらんだうたい文句です。キャスパー・ヴァン・ディーンのターザンが従来型のターザン映画のDNAを引き継いでいたことはそうした傾向へのさらなる反逆だとしたら、逆説的だけど面白い。「ターザン」に対するハリウッドの思いというかこだわりが、見え隠れするものだと思います。
本作はイギリス人の映画なので、そうした娯楽映画としてのハリウッド式ターザン像に逆らって、人間ドラマとして「動物に育てられた少年」の文明との出会いがテーマになっていて、テーマは興味深いけど、バローズの原作も娯楽として書かれたパルプ小説であることは疑いようがないので、やはりキワモノであることは否めない。ターザン映画としても原作の映画化としても中途半端になったのは残念で、ウホウホしかいわないクリストファー・ランバートと色っぽくもなければきれいでもないジェーンとの恋愛もイマイチ。
特殊メイクだけが見所か。