アメコミってのは分業が進んでいて、基本的に出版社が版権を持ち、表紙担当、構想担当、脚本担当、人物担当、書き文字担当などなど、多様に分担して、描かせています。日本の漫画でもある程度は分業されているんだろうけど、基本的にはひとり(複数人がひとつのペンネームを使う例もあるが)の作家を中心に、アシスタントなりがいて、編集者がプロデューサ的役割をしつつ、作者を育て、支えていく、という形になっているみたい。ターザン・コミックの第1人者、マニングはこの日本型のアーティストで、物語も絵も全部自分でやっちゃうタイプだけど、最近でた復刻版は当たり前のアメコミの手法で、表紙なんかは別の人がまったく別の絵を描いている。
マニングの絵がモノクロで、表紙向きじゃないとか、さすがにアナクロくて最近の読者が手にしそうにないとか、いろいろな理由があるのだろう、たぶん。
ただこの表紙のシュルツさん、特に『アトランティスの秘宝』のほうの絵がよくて、ラーがかわいくてグラマラス、まあいってしまえばアメコミ風の美女になっています(フラゼッタもそんな傾向はありますよね)。マニングのラーはオバサンぽすぎて、原作どおりなら20歳そこそこのターザンと出逢ったころのイメージはちょっとない。良くも悪くも現代風の絵を描く人なんですね、シュルツさん。
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