かつての絵物語やプラモデル・アート、怪獣図鑑などで根強い人気を誇る小松崎茂氏も、バローズを描いている。「エー、これがデジャー・ソリスぅ!?」などといった言葉も聞こえてきそうだが、まあ意外と(失礼!)見れる絵を描いている。中程のモノクロイラストで、緑色人の生意気な族長に足蹴にされる全裸のデジャー・ソリスがよい、などといったらひんしゅくものか。
で、こちらがくだんの足蹴にされるデジャー・ソリスのイラスト。科学調査隊の隊長として武器も持たずに航行していたところを緑色人に捕らえられ、人道的配慮を求めたとたん、若い緑色人士官に殴り飛ばされた。直後にジョン・カーターに瞬殺されたのはいうまでもない。ジョン・カーターが殺した2人目の緑色人というわけで、ドタールかソジャットのいずれかと思われる。しかし、デジャー・ソリス、原作どおりとはいえ、本当に裸で暮らしているのですね。
左は、小松崎氏に師事したという伊藤展安というひとの表紙。はっきり言ってみるにたえない。ただし、この「新装 少年少女世界名作全集」はまだ刊行されているので、『火星のプリンセス』を読みたい人には数少ない選択肢のひとつではある……
で、右が、上記秋元書房版の文庫版。挿絵は同じ小松崎氏のものが使われているが、表紙だけはなぜか差し変わっている。