ERB評論集CriticsismsforERB
Tarzan
BOOK別冊
1994年11月9日号付録
マガジンハウス/No.200/1994年11月9日発行
contents/内容
創刊200号記念
この1冊ですべてが解る!
別冊ターザンBOOK
- P4,5いま一度『ターザン』はターザンに注目する
……まえがきですね
- p6,7男なら誰もが夢見る体力、知力を備えた男、ターザンが我々の手本だ
……ターザンの解説。そのキャラクターの魅力を、魅力を【誇り】は健さん、【知性】はホームズ、【女】はポパイ、【動物】はナウシカ、【戦い】はターミネーター――といった具合に比較して解説。おまけとして大林宣彦氏へのインタビュー「ヒーローが生き方を教えてくれた。戦後の少年たちはターザンの分身。――大林宣彦は語る。」
- p8,9ターザンを生み出したE・R・バロウズの街、“ターザナ”を訪ねて
……ERBの評伝。既訳の本や解説文からの引用の寄せ集めだが、ターザナの写真は貴重かも。
- p10,11読み出すと止まらない! 冒険小説『ターザン』には男の魅力のすべてがある
……小説版ターザン全26巻の解説。ハヤカワ文庫に拠っているが、未訳も含めて解説したところは立派。北上次郎氏による小説版の1〜5位のランキングつき。おまけは北上次郎氏の寄稿「面白い、ターザン・ブックス! バロウズのすべてがここにある。」
- p12〜17「ア〜ア〜ア〜!」あの雄たけびは映画から始まった
……映画版ターザンの解説。ここがメインと見えて、これまで見開き2ページだけの特集記事の連続だったのに、ここだけ6ページにわたった構成になっている。都筑道夫氏の原稿「特別寄稿 立ちあがれターザン」が2ページ、編集部独断のターザン映画ベスト7、ターザン俳優ベスト5、ジェーン俳優ベスト3でさらに2ページ、ターザン俳優ゴードン・スコットへの取材記事やディズニー版ターザンの速報で2ページという構成。
- p18ターザンを愛し続けるコレクターたちの深い深〜い世界
……ターザンの商品価値の解説。というか、キャラクターグッズに群がるマニアをおちょくってるかな?
- p19〜23「小説」類猿人ターザン
……ハヤカワ書房版のダイジェスト。武部氏のイラストも転載。これ以降、モノクロ印刷。
- p24〜42「ターザンコミック」ターザンと洞窟の女王の巻
……バーン・ホガース作、小野耕世訳。1948年の新聞コミックの翻訳。ダイジェストかな?
comment/コメント
雑誌「Tarzan」が誌名のもとになった本家ターザンに焦点を合わせた別冊を刊行していた、それがこれ。見せてもらったこともあったが、今回、あらためて手元に見ることがかなったので、紹介させていただく。
映画のターザンがメインかと思いきや、軸ではあるけれど、バローズにも大きく焦点を当てているため、我々でも楽しめるものになっている。ターザナのERBの仕事場の写真なんて、ワオ! という感じ。北上次郎氏の小説ターザンのベスト5は、実はわたしの考えに近いので、読んでいて楽しい。
【誇り】は健さん、【知性】はホームズ、【女】はポパイ、【動物】はナウシカ、【戦い】はターミネーターなんて、バローズ・ファンにはリアクション不能なたとえもあるが、楽しめればいいという観点ならまあいいか。
ハヤカワ文庫版のあらすじを武部画伯のイラスト入りで数ページに渡って紹介するのはさすがに無駄だし、アメコミ和訳もそうだけど、編集部が苦労してページを埋めたということなのだろう。
編集部の知識はともかく、執筆陣はそれなりなので、読めるものになっている。
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