ERB評論集 Criticsisms for ERB


トニー・グッドストーン「ジンバー・ジョウの復活」

ハヤカワ・ミステリマガジン1974年2月号「ジンバー・ジョウの復活


 「ジンバー・ジョーの復活」 (アーゴシー誌、一九三七年)は、エドガー・ライス・バロウズの“サイエンティフィック・ロマンス”形式の適用を示しているだけでなく、社会諷刺に対する彼の愛好も示している。バロウズは人間関係を発展させることによってSFを極限まで開拓した。その結果、彼に先立つ、ほとんど純粋に空想的な書き方と区別される。彼はまた社会の不正義についての批評を導入することによって、彼の短篇と小説に深さと魅力を付け加えた。事実、ターザン物語における彼のナチの扱い方は、第二次大戦前のドイツでの彼の著作の検閲を厳重にさせたのである。
 バロウズの作品における社会批評は、おそらく貧困、絶望といった要素──それが一九一一年頃彼に最初の作品を書かせたのだが──からの自然の結果で、インスピレーションによるものではなかった。バロウズは十以上の様々な職業については失敗し、家族を養っていくために喉から手がでるほど金が必要だった。彼は当時のフィクション・マガジンを読んでいて、“もしひとびとがわたしが読んだようなたわ言に金を払っているなら、わたしはもっとおもしろく書ける”と決意した。様々なフィクション・マガジンの戦術を研究したバロウズは、最初の試みをオール・ストーリイ・マガジンでおこなった。一九一二年、オール・ストーリイ・マガジンから出た「火星のプリンセス」 (Under the Moons of Mars)がそれである。ほんの少しの間を置いて彼は二番目の小説「類猿人ターザン」 (Tarzan of the Apes)を出版した。こうしてバロウズの大衆的人気は、永遠に確立されたのだ。

トニー・グッドストーン


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