20世紀を代表する偉大な大衆作家がこの世を去ってはや50年。この半世紀の間にバローズを取り巻く状況は日々変わっていった。忘れられそうになったときもあったし、喝采を持って迎えられた時期もあった。ただ変わらないのは、つねに彼を――彼の創造した作品、英雄、美姫たちを――愛するファンたちの存在があったことだろう。
60年代に出版史に残るバローズ・リバイバルを演出したのも、70年前後の日本で空前の出版ブームを作り出したのも、そして21世紀に臨もうとする今、インターネットというヴァーチャルな世界で広大なファンダムを築きつつあるのも、みなそうしたファンたちの所行であるに違いないのだ。
いまここに、われわれの壮大なイベントを開始することを宣言する。50周年は原著作権の消滅という点において重要な節目だが、それでも節目にすぎない。次の50年、500年に向けて企画は増殖し、発展していく予定である。
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