講談社 火星シリーズ8『火星の秘密暗殺団』解説より
Jun.1967
クイズをやってみましょう。
ウーラの足は何本ですか? カルソリスの父親の名は?
タルス=タルカスのはだは何色ですか? カルデーンのゲックってなんですか?
さあ、もしもあなたがこの四問にぜんぶすらすらと答えられたならば、あなたはもう、かなり熱心な〈火星シリーズ〉のファンだといってよいでしょう。
そんなに〈火星シリーズ〉をよく読んでいるのなら、ひとつ、「火星シリーズ・物知りノート」をつくってみませんか。〈火星シリーズ〉のことならなんでもわかるというノートです。
たとえば「バルスームの乗り物」の項目は、こんなぐあいです。
長さ 幅 厚さ 乗員 動力 その他 出てくるぺージ ゾダンガのパトロール艇 5m 0.6m 0.08m 一名 ラジウム=エンジン うき上がるのは火星第八光線による 火星のプリンセス p163 p164 力ルソリスの小型飛行艇 ? 一名らしい 〃 自動コンパス・衝突防止装置付き 火星のまぼろし兵団 p21 p22 真空チューブ車 3m 一名らしい 空気 はらばいになってのる 火星のまぼろし兵団 p40 ターラの飛行艇 ? 一名 ラジウム=エンジン 第八光線でうき上がる 火星のくも人間 p11
とまあ、ざっとこんなぐあいです。
この乗り物だけでも、ていねいに表につくるとずいぶん長いものになります。しかし、いまここに書いただけでも、ゾダンガのパトロール艇とターラの飛行艇がだいたい同じような型だということがわかりますし、カルソリスの自動コンパス付きの飛行艇も一人乗りだから、きっと長さは五メートルぐらいだろうと見当がつきます。
つぎに「バルスームの都市」についてまとめてみましょうか──。
位 置 特 色 出てくるページ 大ヘリウム 小ヘリウムと百キロはなれている ヘリウム王国の首都 火星のまぼろし兵団 p39 アーンソール ドールの谷、またはコラス海 古代都市。白色類人猿が住んでいる 火星のまぼろし兵団 p54
これなどもかなりくわしくなるはずです。こんなノートを白分でつくって、それとてらしあわせながら、火星シリーズをもういちど読みなおすと、いろいろと新しいことを発見したりして、〈火星シリーズ〉をいっそうたのしく読むことができると思います。
comment
講談社版第8巻のの解説文全文収録です。
創元推理文庫SFの〈火星シリーズ〉や、ハヤカワ文庫版の地底世界シリーズの野田さんの解説を思い出します。また、小学生の頃ですが、ロビンソン・クルーソーを読みながら、無人島の地図や年表を作っていたことを思い出したりね。バローズ作品は、異世界の言語、生物、固有名詞など、かなり作りこんでいるのが特徴の一つです。大人になるとそこまではしませんが、子どもは夢中になりますよね、きっと。いわゆる中2病でしょうか…
なんだか、わくわくしてきますねー