Illustrated by Osamu Tsukasa
野田昌宏:訳/司修:画/野田昌宏:解説 講談社/火星シリーズ−8 /1967.06.28初版/260頁
カバー折返し
バルスーム(火星)とその月スリアにくりひろげられる、ジョン=カーターの冒険!
火星の首都ヘリウムから数千キロはなれた町、ゾダンガ。それは、悪と不正のはびこる殺し屋の町。火星の大将軍ジョン=カーターは、この悪徳の町を一掃しようと、放浪の戦士バンドールと名乗って単身ゾダンガに潜入、殺し屋〈ねずみのラパス〉の手引きで、怪発明家ファル=シバスの用心棒にやとわれる。しかし、そこでかれの見たものは──。聞くもおそろしい研究の材料に使われようとする美女ザンダの運命は──しかれをねらう殺し屋ウル=ジャンの刃先は─―。火星の月スリアヘゆうかいされたきさきデジャー=ソリスの生死は──。〈機械脳〉を装備した怪宇宙船・怪物ねこ男・透明人間タリッド族などが入りみだれて波瀾万丈の物語がここに展開されるのだ!
火星の大将軍として、すべての火星人の尊敬と信頼をあつめている英雄ジョン=カーターは、もとをただせば地球人、アメリカ陸軍の大尉である。ふとしたことからかれが、火星世界でくりひろげるすばらしい冒険のかずかずは、もうみなさんよくご存じのとおり。
火星の帝国、ヘリウムの王女デジャー=ソリスをきさきにもち、火星上にならぶものない正義の勇者であるかれが、どうしても許すことのできないひとつの町があったー殺し屋の町、ゾダンガだ。
変装してそこにもぐりこんだジヨン=カーターは、殺し屋どもと戦う一方で、怪発明家ファル=シバスの発明した〈機械脳〉つきの宇宙船をあやつり、ゆうかいされたきさきデジャー=ソリスの救出に火星の月スリアヘと向かう。
だが、かれを待ちかまえていたのは透明人開、怪物〈ねこ男〉……。
これは、火星から悪を一掃しようと活躍する、かれの手記である。
野田 昌宏
history/初出
Swords of Mars,Nov.1934-Apr.1935,Blue Book magazine
Swords of Mars,1936,Burroughs
comment/コメント
講談社版火星シリーズ第8弾。しかし、すごいタイトルです。創元版の『火星の透明人間』は、それだけじゃないだろ、というタイトルですが、こちらはこちらでなんだか子ども向けっぽい感じです。あるいは、キャプテンフューチャーのセンスでしょうか? 訳者が野田さんだけに……