武部本一郎(Motoichiro Takebe)
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バローズを語るとき、武部本一郎氏を抜きにしては語れません! その、東洋的でありながらも洗練された筆致、荒々しいようで細かい筆の運び、写実的なようで幻想的な、豊満な(それでいて高貴な)美女群像を、存分にお楽しみください! しかし、主要なシリーズはほとんど制覇しており、すごいとしかいいようがない。バローズといえばこの人! となるのも、当然といえるだろう。 バローズ以外では、アンドレ・ノートン〈ウイッチ・ワールド・シリーズ〉、ジョン・ジェイクス〈ブラク・シリーズ〉、あとなんといってもロバート・E・ハワード〈コナン・シリーズ〉なんかが思い出される。ヒロイック・ファンタジーのアーティストといえば、古くはこの武部画伯、加藤直之をちょいと挟んで天野嘉孝に至る系譜が描かれるわけだが、やはり武部本一郎のあとを継ぐ画家は現れなかった、というのが正当な評価だろう。ゲテモノとしてはバローズ贋作家O・クライン、ジョン・ノーマン〈ゴル・シリーズ〉、ジャック・ウィリアムスンなんかも異色かな? 特筆すべきはヘンリー・ライダー・ハガード『洞窟の女王』。これは小学館の世界名作全集所載のものだが、武部画伯描くところの永遠の美女アッシャを見たくないというファンタジー・ファンは皆無だろう! これだけの夢の取り合わせが、子供向けに限定されているのは、いいことなのかもったいないことなのか、評価に詰まるところではある……。 |
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武部本一郎
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2007年に開催された回顧展には、私も展示資料の一部に協力させていただきました。
(2 Mar.2013 renewal) |
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(06 Oct.2003 renewal) |
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