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小笠原豊樹:訳/グーテンベルク21/2004/XMDF版 746KB/ドットブック版 197KB/テキストファイル 205KB
story/あらすじ
最愛の妻デジャー・ソリスの身を案じつつ地球で十年をすごしたジョン・カーターは、再び火星へ飛来、イス川が流れこむコルスの海のほとりに下り立つ。イス川の奥地には楽園があると信じられ、闘争に明け暮れる緑色人や赤色人たちの唯一の希望は、天寿を全うして、そこへたどりつくことであった。だがカーターが目にしたその地は楽園どころか、未曾有の怪奇でグロテスクな生物がうようよする地獄さながらの場所であった。火星人たちの迷信は徹底的に破壊され、女神イサスとの対決で物語はクライマックスへ。火星シリーズ第2弾。
エドガー・ライス・バローズ(米、1875〜1950)シカゴ生まれ。75歳で亡くなるまでに、20冊あまりのターザン物、10冊の「火星シリーズ」をはじめ、金星や月や地底やアメリカ西部を舞台にした数多くの小説を書き、大人気作家となった。その作品の多くは今日でも「一服のよく効く清涼剤」として延々と読みつがれている。
chapters/目次
history/初出
The Gods of Mars, Jan.-May,1913, The All-Story
The Gods of Mars, 1918, A. C. McClurg
commento/コメント
角川文庫版が評判悪いとすれば、安っぽい口絵や決して上手とはいえない表紙のイラストのせいが大きいかもしれない。創元推理文庫SF版の、粗悪コピー商品、といった趣なのだ。だが、訳文に関して言えば、そういう心配は無用だ。小笠原豊樹氏といえばブラッドベリ『火星年代記』をはじめとする流麗な訳文が知られ、評価は決して低くない。角川版自体がお宝化している現状、今回のデジタルブック版は「待望の」という枕詞をつけてよいものなのかも。