火星シリーズ2
MARS series 2


火星の空中艦隊
The Gods of Mars(1918)


Illustrated by Osamu Tsukasa

塩谷太郎:訳/司修:画/野田昌宏:解説 講談社/火星シリーズ-2/1967.05.28 初版/250頁


story/あらすじ

カバー折返し
黒色人の大空中艦隊を相手に大活躍する、ジョン=カーターと緑色人の大酋長タルス=タルカス!
長い孤独の十年間を地球ですごしたジョン=カーターは、愛する王女デジャー=ソリスをもとめて、ふたたび火星にいった。かれはそこで、おそろしい植物人間や白色類人猿と戦っている、緑色人の大酋長タルス=タルカスに出会う。そして美しい女とれいスビアをすくって、故郷ヘリウムにむかう。やっともどったヘリウムに、愛する王女はいなかった。にくい黒色人につれていかれたのだ――。王女をすくえ! ジョン=カーターは大空中艦隊をひきいて、イサスの神殿にむかう。こうして、赤色人・緑色入・白色人・黒色人いりみだれての大戦争が、すごいいきおいで展開されていく。

 二十年前はじめて火星をおとずれた地球大ジョン=カーターは、赤色人帝国ヘリウムの王女デジャー=ソリスと愛しあい、結婚した。かの女を火星にのこして地球にもどったかれは、ふたたび最愛の妻のもとへとかえっていく。
 かれが到着したドールの谷は、火星人が平和と幸福の谷としてあがめてきた聖地であるが、そのじつ、凶暴な植物人間・白色類大猿の住むおそるべき魔境だった。いくどか九死に一生をえて、かれはついになつかしのヘリウムにもどってくるが、愛する王女はすでにとらえられて、イサスの神殿につれさられている。
 火星最高の女神イサス――だがその正体は……。
 赤・緑色人連合の大空中艦隊は、王女を救出せんと、空をおおって出動する。かくして赤・緑・白・黒色人軍入りみだれての大空中戦が展開される。――(原題「火星の女神イサス」)
 愛する王女をすくえ――大空中艦隊をひきいて魔の神殿にのりこむ快男児ジョン=カーターをまつものは……。

chapters/目次


history/初出

The Gods of Mars, Jan.-May,1913, The All-Story
The Gods of Mars, 1918, A. C. McClurg

commento/コメント

講談社版火星シリーズの第2弾。見てのとおり、飛行艇のデザインが戦闘機風なほかは、創元推理文庫版とほぼ同じ構図で描かれた表紙。創元を意識した結果なのだろうか。ちなみに中のイラストは、口絵なしでモノクロがのみなのだが、お世辞にもうまいとはいえない。角川文庫版ほど壊滅的ではないが……

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