Illustrated by Motoichiro Takebe
高橋豊:訳/武部本一郎:画/森優:解説 早川書房/ハヤカワ文庫特別版SF101 /1971.08.31初版/389頁
story/あらすじ
イギリスの若い貴族とその妻が、任地へ向かう途中船上で反乱にあい、アフリカ大陸のとある浜辺に置き去りにされた。2世誕生の喜びもつかの間、彼らはたび重なる不幸に打ちのめされあえなく世を去る。だがその遺児は類人猿に拾われ、密林の奥深くへと消え去った……歳月は流れ、その子ターザンは、密林の厳しい掟のもと、あらゆるものを敵とする孤独な野生児としてたくましく成長するそしてある日、浜辺の小屋に横たわる白骨を見た瞬間から、彼はめまぐるしい流転の運命に巻き込まれていく! 世界の冒険小説史上最大にして永遠のヒーロー、ここに颯爽の登場!
chapters/目次
characters/登場人物
ターザン ジャングルに生きる野性の遺児 グレイストーク卿ジョン・クレイトン イギリスの貴族。ターザンの父 アリス クレイトンの妻。ターザンの母 ブラック・ミッチェル フワルダ号の水夫 カーチャク 類人猿の王 カラ ターザンを育てた雌の類人猿 チュブラット カラの夫 ターコズ チュブラットの息子 アーキミーディス・Q・ポーター教授 アメリカの学者 ジェーン ポーターの娘 サミュエル・T・フィランダー ポーターの秘書兼助手 ウイリアム・セシル・クレイトン グレイストーク卿の後継者。ターザンのいとこ エスメラルダ ポーター家の小間使い ポール・ダルノー中尉 フランスの軍人 ロバート・キャンラー アメリカの実業家
history/初出
Tarzan of the Apes,Oct.1912,All-story magazine
Tarzan of the Apes,1914,A.C.McClurg
comment/コメント
記念すべきターザン・シリーズ第1作。1997年現在、まだ店頭で発見できる、数少ないバローズ作品のひとつ。そのおもしろさはERBの数ある作品群のなかでも群を抜いており、なんといってもターザンの人物設定が絶品だ! これをなくして、世界の冒険小説、というかエンターテインメント、というか、近代アメリカ文学は語れない、というほどの作品だ。これが売れないなんて、日本の読者よ! なんて君たちは罪作りなんだ!
(追記)上の文を書いた当時、児童向けの出版を除けば、店頭で求めることのできるバローズは、ハヤカワ文庫版の本書『類猿人ターザン』と、創元SF文庫版の『時間に忘れられた国』の各1冊しかなかった。それから10年余、ハヤカワ文庫からバローズは消え、創元文庫に収録された『ターザン』もいつしか廃刊。〈火星シリーズ〉全巻を読める状況を嘆くのは間違いなのかもしれないけれど、ターザンが読めないという事実には一抹のさみしさを禁じえない。
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