火星シリーズ6
MARS/Barsoom series 6


火星の頭脳交換
The Master Mind of Mars
(1928)



Illustrated by Osamu Tsukasa

中尾明:訳/司修:画/野田昌宏:解説 講談社/火星シリーズ−6 /1967.06.28初版/260頁


火星の少女をすくうために、パクストン大尉が、火星の天地をかけめぐる愛と冒険の物語!
アメリカ陸軍のパクストン大尉は、ジョン=カーターのあとを追って、火星にとんだ。ついたところは、火星の天才外科医ラス=サバスの研究所だった。そこでは、おどろくべき頭脳交換手術がおこなわれていた。年おいた人間の頭脳を、べつのわかいからだにうつしかえ、永遠に生きつづけようというのだ。この手術で、火星の少女バラ=ディアは、老女王ザザに、美しいからだをうばわれてしまった。パクストン大尉は、愛する少女のからだをとりもどすため、火星の名剣士や白色類人猿の力をかりて、命知らずの大冒険にのりだした。 

 これは、アメリカのSF作家E=R=バローズが書いた「火星シリーズ」の第六作です。
 主人公は、アメリカ陸軍大尉ユリシーズ=パクストン。ある日、ヨーロッパの戦場からふしぎな力で宇宙空間をとびこえ、火星に着陸します。
 火星では、おそるべき頭脳交換手術がおこなわれていました。この手術のぎせいになった火星の美少女をすくうため、パクストンは、バド=バロと名をかえ、命しらずの冒険にのりだします。
 バド=バロをたすけるゆうかんな火星の剣士たち、人間のことばを話す白色類人猿。いっぽう、パクストンの命をねらう女王ザザ。そのほか、火星の科学兵器や空中艦隊などが、つぎつぎとバド=バロのゆくてにあらわれます。広大な火星の天地を舞台にしたスケールの大きさ、スリルにみちたストーリーのおもしろさ──これこそ、宇宙冒険小説の傑作といえるでしょう。                           
中尾 明

history/初出

The Master Mind of Mars,Jul.1927,Amazing Stories Annual,Vol.no.1
The Master Mind of Mars,1928,McClurg

comment/コメント

 講談社版火星シリーズ第6弾です。ジャケット付きを入手しましたので、更新しておきます。日本のバローズファンであれば、これを見てバローズなんてとても連想できなさそうですが、アメリカのハードカバー時代のイラストやイギリスのフォースクエア版(実はペーパーバック版はバランタインやエースより)ではフォースクエア版のほうが早かったりします)はこんなテイストのイラストだったりするので、そちらを参考にしたのかもしれません。

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