Illustrated by Ryohei Yanahara
塩谷太郎：訳／柳原良平・梁川剛一：画 講談社／1966.12.20 初版／301頁
story／あらすじ
愛する人は去り、来るは恐るべきスパイの魔手！ ターザンの野生が悲しみ、そして叫び、戦う！
ターザンの国を訪れたポーター教授の令嬢ジェーンは、白ばらのように美しく、また文明のはなやかさを身につけていた。ターザンは、かの女のあとを追ってアメリカへ渡る。しかし、ジェーンには婚約者があった。
失意の心を抱いてアフリカへ戻っていくターザン。だが、そのとき、かれの前にひとりのおそるべき敵があらわれた。冷酷無比なスパイ、ロコフである。
舞台は大西洋上の豪華船から、花の都パリ、さらにサハラ砂漠を越えて、西アフリカの大密林の奥へと移り変わる。そしてそこに、ターザン対スパイ、ロコフの息づまるような死闘がくりひろげられる……。
本編は、「ターザン＝シリーズ」第２作で、原題名は「ターザンの帰郷」１９１５年出版。
chapters／もくじ
第１編 人間と野獣喫煙室のできごと第２編 砂漠の銃声
脅迫状
ベールの女
夜ふけの悲鳴
忠告
オルガの秘密
にせの電話
激怒
決闘状
和解シディ・エサの踊り子第３編 なつかしい密林
酒場の乱闘
奇遇
岩山の死闘
見えない敵
おそいかかる黒じし
しのびよるもの
脱出
カドールの部落
ケープタウンへ
すれちがう船
海の藻くず？
船内の捜索
沈没海岸の小屋第４編 秘境の黄金
武器を求めて
ワジリの部落
ぞう狩り
おそい来るアラビア人
ぶきみな呼び声
伏勢
うえとかわき
死のくじびき秘境探検
廃墟の半獣人
大尼僧ラ
死人のへや
九死に一生
老いぼれたライオン
秘密の通路
ジェーンの危難
類人猿の群れ
おき去り
古いどの冒険
おどりこむターザン
クレイトンの死
密林の結婚式
history／初出
The Return of Tarzan,Jun.1915,magazine
The Return of Tarzan,1915
comment／コメント
『ターザンの復讐』が読みやすいソフトカバーでも出版されていたのを入手したので、紹介する。総ルビで一見子供向けのリライト本のようだが、ほとんど完訳に近い。子供から大人まで、をターゲットに出版されたと思われるが、何とも中途半端だったようだ。
表紙のイラストはあんまりだが、中の挿画は薄墨を使った本格的な絵で、まあ見れる。ラーが黒人みたいなのがイマイチだけど。