Illustrated by Motoichiro Takebe
厚木淳:訳/武部本一郎:画/厚木淳:解説 東京創元社/創元推理文庫601-31 /1979.04.20初版/281頁
story/あらすじ
アンコール・ワットの遺跡で知られる東洋の秘境カンボジア。たまたまそこを探検したアメリカの青年医師はジャングルで道に迷い、不思議な王国の中にさまよいこんでしまった。豪華絢爛たるクメール文化に守られて、外界からも千年も隔絶してきたこの王国に君臨するのは、癩病やみの王であったシヴァ神に仕える僧侶、美しい踊り子、中世さながらの軍装をした兵士と軍象の群れ。そしてジャングルに出没する恐るべき虎大王。幻想的な神秘の王国を舞台に展開する永遠の恋と陰謀と冒険! バローズ会心作のひとつ。
chapters/もくじ
characters/登場人物
ゴードン・キング | アメリカ人。医師 |
フー=タン | 宮廷の踊り子 |
ロディヴァーマン | ロディダープラの王 |
ヴェイ・ソン | その高僧 |
ベング・ケール | プノム・デークの王 |
バーラタ・ラオン | 王位を狙う大公 |
ハマール | 王女づきの奴隷 |
インドラ・セン | 王女の親衛隊長 |
プラン | プノム・デークの逃亡奴隷 |
チェ | ロディダープラの逃亡奴隷 |
カングレー | その妻 |
ウダ | その息子 |
history/初出
The Land of Hidden Men,May to Sep.1931,Blue Book Magazine
Jungle Girl,1932,Burroughs
comment/コメント
カンボジアの奥地に迷い込んだやり投げ選手だったアメリカ人が、クメール人の末裔の王国で踊り子や癩病やみの王との関わりの中、やがて王になるという、ターザンの秘境ものの焼き直しのような1冊なのだけれど、実は結構楽しめる。武部本一郎描く最後のバローズということもあり、イラストも力が入っていて、秀作ぞろい。癩病といった表記もあり、再刊は難しいだろうが、機会があったら、是非よむべし。