Illustrated by Hisao Saitoh
厚木淳:訳/斉藤寿夫:画/作者紹介 東京創元社/創元推理文庫601-33/1980.09.05 初版/275頁
story/あらすじ
サムライの島から九死に一生を得て帰国したならず者(マッカー)は、警察の手を逃れてメキシコに新天地を求めた。折りしも20世紀初頭のメキシコは群雄が割拠する大動乱の時代。彼我入り乱れて戦う陰謀と冒険と戦闘の連続。めまぐるしく展開する事件の数々。その渦中に身を挺した不死身の快男子ビリーの縦横無尽の大活躍と永遠の恋人バーバラとの意外な再会。手に汗にぎる冒険小説の全素材と技巧をこの1作に集中したバローズ畢生の会心作。
chapters/もくじ
characters/登場人物
ビリー・バーン | シカゴのならず者(マッカー) |
アンソニー・ハーディング | ニューヨークの富豪 |
バーバラ・ハーディング | そのひとり娘 |
ブリッジ | 浮浪者 |
ペシタ | メキシコの山賊 |
ロザレス大尉 | その部下 |
ヴィラ将軍 | メキシコの革命家 |
エディ・ショーター | カウボーイ |
history/初出
The Return of the Mucker,Jun.17 to Jul.15,1916,All Story Cavalier Weekly magazine
The Mucker,1921,McClurg
comment/コメント
初出の欄でおわかりの通り、本国では2部に分けて雑誌連載された後、合本の形で単行本化されたが、邦訳版ではページ数の関係からか分冊にされている。したがって、本書は本国版の後半部分に相当することになる。開拓時代のアメリカ、そしてメキシコを舞台に、銃とならず者と美女と来ればこれはもうウェスタンの世界。娯楽作品としてはおもしろい。イラストに関しては武部本一郎死後の出版である以上しょうがないが、斉藤寿夫氏は以外とマッカーの世界にははまっている。これはこれでいい。