Illustrated by Motoichiro Takebe
厚木淳:訳/武部本一郎:画/用語辞典 東京創元社/創元推理文庫601-15 /1969.10.13初版/395頁
story/あらすじ
果てしもない秘境金星を飛行艇に乗ってさまよい続ける美女ドゥーアーレーとカースン・ネーピアの前に、陸続として登場する異生物と奇怪なベムたち。水陸両棲の魚人間、永遠の謎に包まれた神秘な火の女神、樹上に実る吸血植物人間の怪、雌雄の別がなく、単体で分裂する無気味なアメーバ人間、そして奇想天外な2大陸上艦隊の手に汗にぎる大決戦。天成のストーリー・テラー、バローズが描く、快男子ネーピア一世一代の大冒険。
chapters/もくじ
T 魚人間と奴隷
U 金星の火の女神
V アメーバ人間と博物館
W 陸上艦隊の決戦
charcters/登場人物
カースン・ネーピア | 地球人、本編の主人公 |
ドゥーアーレー | 金星ヴェパジャの王女 |
カンダル | ジャパルの王子 |
タイロス | マイポスの王 |
スカブラ | マイポスの王妃 |
ロト・エル・ホ・ガンジャ | 火の女神 |
デュマ | ブロコル |
ジョンダ | トングラップの陸軍大尉 |
ヴィク・ヴィク・ヴィク | ヴー・ヨルガンの王 |
ヴィク・ヨル | ヴー・ヨルガンの王族 |
ダンロット | ファルサ陸上艦隊の提督 |
バナット | パンゴンの高級将校 |
イロ・シャン | ハヴァトゥーの戦士・生物学者 |
history/初出
Escape on Venus,1946,Burroughs
comment/コメント
バローズのヒーローは、英国貴族でジャングルの王者だったり、火星の大元帥だったり、地底帝国の皇帝だったりといずれも名をあげているが、金星のカースン・ネーピアのみは放逐され、放浪の旅を繰り返す。後年の作品ゆえ、読者の嗜好の変化もあり(戦争が暗い影を落としていた時代ということもあるかもしれない)、バローズもあわせて変化していったということなのだろう。それでも王女級の美女と結ばれるあたりは、やはりバローズか?