厚木淳:訳/武部本一郎:画
story/あらすじ
金星に不時着して、波瀾万丈の活躍を続ける地球人カースン・ネーピアは、最後の冒険として、美女を自由自在にけものに変える強力な魔法使いと対決することとなった。無気味な中世風の城を舞台に、魔法使いの催眠術とカースンのインド仕込みのテレパシーが火花を散らす一騎打ち。金星シリーズの掉尾を飾る一編
chapters/もくじ
はしがき
1.〜11.(章題なし)
characters/登場人物
カースン・ネーピア | 地球人、本編の主人公 |
イロ・シャン | ハヴァトゥーの戦士・生物学者 |
モーガス | ギャヴォの魔法使 |
ヴァナジャ | パンダル家の娘 |
history/初出
The Wizard of Venus,Canaveral Pressl,1964
comment/コメント
金星シリーズ最後の1編。このころバローズが多用していた手法である短編形式で雑誌発表して連作集として単行本化することを意図して書かれたと思われる。毎回、念力でバローズに冒険譚を送ってくるカースン・ネーピアが、そのインド仕込みの能力を魔法使いを自称する催眠術師との対決に利用している。いうなればジョン・カーターがテレポート能力を作中で披露するようなものか。これは、他の作品にはない挑戦で、おそらくはファンの指摘にバローズが悪のりした、ということだろう。後年、SFへの傾倒が目立ったこともあり、超能力ものも書いてみたかったのかもしれない。まあ、おもしろいけど、美女だから助けようというのは、ちょっと……。ドゥーアーレーはどうする!