バローズ論著作集
Criticisms Books for ERB Worlds


 バローズのことを語ってくれる本について紹介しています。日本語で読める本格的なものは、ルポフの評論、と言うよりはファンレターとでも言いたい本『バルスーム』だけだけど、他にもマニアックな研究本は数多くあります! amazon.com ではどれもまだ入手できるのでは?

バローズ論の本

デヴィッド・G・ヴァン・アーナム他著『バルスームとアムターの読者ガイド』(未訳)
"Van Arnam, David G. The Reader's Guide to Barsoom and Amtor 1963

-- (BA28964773)
New York : R. Lupoff, c1963
84 p. ; 30 cm
注記: "The first printing is limited to 200 copies, numbered and signed"
ルポフが書いた本。Amtorの地図は原書からのコピーです。
リチャード・A・ルポフ著『バルスーム バローズの火星幻想』厚木淳訳/東京創元社
日本語で読めるまとまったERB評としては唯一の出版。ただし、絶版(というか、在庫切れ状態)。熱心なバローズ・ファン(信奉者にしてアメリカにおけるバローズ・リバイバルの立役者)でもあるルポフの、火星シリーズを軸としたバローズ評。ファンの目と評論家の目が入り乱れ、ほほえましくもおもしろい1冊に仕上がっています。本書に収録されていた「バローズ研究書一覧」も紹介します

リチャード・A・ルポフ著『エドガー・ライス・バローズ――冒険の達人』(未訳)
Lupoff, Richard A. Edgar Rice Burroughs: Master of Adventure 1965, 1968, 1975

Ace SF/18771/初版1968/c1965/p315/$1.25

ゲイブ・エソー『ターザン日本へ来る ジャングルの王者たちと全作品』
Essoe,Gabe Tarzan of the Movies 1968

 題名が示すように、本書は映画化されたバローズのジャングル小説をとりあげている。写真がたくさんはいったそれなりの労作ではあるが、バローズとその作品については、付随的な価値しかない。

ジョン・フリント・ロイ編『バルスームの案内書』(未訳)
"A Guide to Barsoom"Compiled by Roy, Jon Flint 1976

ジョン・フリント・ロイ編『バルスームの案内書』(未訳)
"A Guide to Barsoom"Compiled by Roy, Jon Flint 1976

eleven sections of references in one volume dealing with the Martian stories written by Edgar Rice Burroughs / compiled by John Flint Roy ; illustrated by Neal MacDonald.
-- (BA24026170)
New York : Ballantine Books, 1976
200 p. ; 18 cm -- : pbk
注記: Includes bibliographical references (p. 197-199)
ISBN: 0345247221(: pbk)
上記「研究書一覧」で厚木淳氏も言及している、バルスームの地理、動植物、人種、国家、度量衡、ゲーム、武器など、さまざまの項目ごとに単語をアルファベット順に配列して説明を加えた小辞典。ルポフのいう〈高級な研究〉書。

フィリップ・ホセ・ファーマー著『ターザンは生きている』(未訳)
Philip Jose Farmer Tarzan alive 1972
(未訳)

Copyright 1972 by Philip Jose Farmer
First Playboy Paperbacks printing Augst 1981
ISBN: 0-872-16876-X
早川書房が刊行予告を出しておきながら(ターザン・シリーズの売れ行きが悪かったのか)未完に終わったターザンの評伝。バローズ・マニアの著者による、ファンならではの楽しさに満ちた1冊。

アーリング・B・ホルツマーク著『エドガー・ライス・バローズ』(未訳)
Erling B. Holtsmark Edgar Rice Burroughs 1986
(未訳)

-- (BA00461550)
Boston : Twayne Publishers, c1986
133 p. ; 23 cm. -- (Twayne's United States authors series ; TUSAS 499)
注記: Bibliography: p. 123-128 ; Includes index
ISBN: 0805774599 
研究書。トウェーン出版社によるアメリカ作家名鑑シリーズ中の一冊?

ジョージ・T・マクホーター編『バローズ辞典』(未訳)
George T. McWhorter Burroughs Dictionary 1987
(未訳)

An alphabetical list of proper names, words, phrases, and concepts contained in the published works of Edgar Rice Burroughs / George T. McWhorter. -- (BA07970654)
Lanham, MD : University Press of America, c1987
xiii, 446 p. ; 24 cm -- alk. paper
ISBN: 0819165123(alk. paper)
バローズ辞典。バローズ全作品の用語をすべてアルファベット順に並べて解説している大部の本だが、『バルスームへの案内書』の辞典と比べるとかなり甘いとの評価あり。

ジョージ・T・マクホーター著『エドガー・ライス・バローズ メモリアル・コレクション:書籍録』
Edgar Rice Burroughs memorial collection : a catalog / by George T. McWhorter.
(未訳)

McWhorter, George T., 1931-
House of Greystoke, 1991.
xxv, 190 p. : ill. ; 28 cm.
世界中のバローズ本の目録。作品ごとに初出、初版から最近の版まで、世界中のバローズ出版について、表紙絵多数とともに紹介。ただし日本についてはかなり間違いあり。

フィリップ・ホセ・ファーマー著『ターザンは生きている その非道なれども崇高なる生涯
Philip Jose Farmer "Tarzan Alive His Outrageous and Magnificent Life"
(未訳)

PLAYBOY PAPERBACKS SCIENCE FICTION
ISBN 0-872-168-76-X
p328/$2.75
フィリップ・ホセ・ファーマーの書いたターザンへのインタビューや伝記など。

The Famous Authors Series Edgar Rice Burroughs A Concise Biography(未訳)

KULTUR/Color/45Minutes/ISBN 0-7697-2205-9
バローズの紹介ビデオです。

バローズ論が読める本

ブライアン・オールディス著『十億年の宴』浅倉久志・他訳/東京創元社
Aldiss,Brian W. Billion Year Spree : The True History of Science Fiction 1973

SFの歴史を掘り下げた力作。メアリ・シェリーから始まってポオやウェルズときて、第7章はバローズにさかれている。目次に名前が登場するのは、他にルキアノスとキャンベルだけなので、その重みは大きい。ウェルズとの比較でバローズを評価している視点は、分析的で鋭い。
野田昌宏著『古き良きスペース・オペラ時代SF英雄群像』/早川書房
宇宙SF紹介/解説の書として古典中の古典。バローズの評価としては最初のもののひとつと思われます。

『世界のSF文学総解説――超想像の世界に飛翔するSF名作事典』/自由国民社

厖大な、数百冊に及ぶ古今の名作SFのあらすじと簡単な解説をこれでもか! とばかりに並べ立てた、本は読みたくないけど能書きは並べたい人にとっても便利な解説書。バローズにも2ページ分を割いています。書き手は本HPにバローズ試論を掲載させていただいている、高井信さんです。

川又千秋著『夢の言葉・言葉の夢』/早川書房

現在は作家として知られる川又千秋が70年代のSFマガジンに連載した評論集、と言うよりは私的SFノート。SF、あるいはSF的な幻想小説を狭視的に読み解こうと試みている。当然、バローズにも1章を割いている

小松左京・石川喬司 監修『SFファンタジア3異世界編』/学習研究社

スター・ウォーズ(エピソード4だよ、もちろん)公開時のSFブーム便乗企画のひとつ。表紙をはじめ、武部本一郎が満載のムック。アート面を中心に、ヒロイック・ファンタジーについて多くを記している。

野田昌宏著『SFを極めろ! この50冊』/早川書房

比較的最近でた、あのころのSFはよかったゼ、ってな本。がんばれば読める、が一応の基準みたいで、作品選びにはかなりの苦労のあとが忍ばれる。あと、結局ハヤカワびいきになるのは仕方ないか。資本主義の世の中だし。

雑誌的刊行物

SFマガジン「スペース・オペラ特集!」1966年8月臨時増刊号(通巻85号)

バローズの〈火星シリーズ〉はもとより、ハミルトン〈キャプテン・フューチャー〉、C・L・ムーア『シャンブロウ』、アーサー・K・バーンズ〈ジェリイ・カーライル〉など、SF紹介初期ならではの贅沢なラインナップでスペース・オペラを紹介しています。

SFマガジン「武部画伯追悼特集」1980年10月号(通巻265号)

日本SFアート界の巨星、武部本一郎画伯の追悼特集です。

創元推理コーナー「SF特集号」1965.9

 かつて東京創元社が創元推理文庫に付録としてつけた小冊子、創元推理コーナー。SFやミステリの専門誌(雑誌)を持たない同社にとって貴重な主張媒体だった。当然、力を入れていたSFマーク、「大人の絵本」という当時としては斬新なコンセプトを導入した〈火星シリーズ〉が取り上げられていないわけはない。『火星のプリンセス』添付

創元推理コーナー「SF特集号2」1966.5

 E・E・スミス『銀河パトロール隊』に添付された創元推理コーナー。詳細は吉田さんの『感動との出会い』に掲載されていますので参照してください。〈火星シリーズ〉のペーパーバックの記事を厚木淳さんが書いています。

創元推理コーナー「SF特集号その3」 '67

 火星シリーズと並ぶ人気を博した金星シリーズに添付された創元推理コーナー。当時の創元社の、SFに(そしてバローズに)かけた意気込みが感じられる。これもまた貴重な記録だ。きちんととっておいてくださった方がいるというのもまたすごいが。

創元推理コーナー5「SF&ミステリ」 '68

 ビジュアル文庫というかつてないコンセプトで好評を博した〈火星シリーズ〉の、記念すべき最終巻『火星の巨人ジョーグ』にも創元推理コーナーは添付された。本国版『巨人ジョーグ』を企画出版したルポフのシリーズ概説は分量も多く、資料的価値も高い。

文藝春秋デラックス 宇宙SF(スペース・オペラ)の時代

雑誌風のムック。スターウォーズの便乗に違いないのだが、火星シリーズの表紙イラストを大判で美麗に収録しており、見応えがある。他に、野田氏の文章など、SF作家系の人が多く記事を寄せていて、価値は高い

日本版PLAYBOY「ターザン特集」1981年11月号

ボー・デレク主演の映画『類猿人ターザン』を紹介した記事が収録されている。

『Tarzan』BOOK 別冊 No.200 1994/11/9号付録

1994年に雑誌「Tarzan」の別冊として刊行された、ターザン特集号。

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