Illustrated by Motoichiro Takebe
小西宏:訳/武部本一郎:画/用語辞典 東京創元社/創元推理文庫601-02/1965.11.19 初版/367頁
story/あらすじ
10年の空白の後、永遠の恋人デジャー・ソリスを求めて再度、火星に飛来したカーターの到着地点は、古来、火星人のあこがれのまとである地上の楽園、イス河の秘境であった。しかし、この楽園は実は恐るべき地獄だった。吸血口のついた手を伸ばして襲いかかる植物人間と獰猛な大白猿、彼らをあやつる白色人と謎のブラック・パイレーツ。生と死をつかさどる火星の女神イサスに敢然として挑戦するジョン・カーターと豪勇無双の僚友緑色人皇帝タルス・タルカスの運命は?
chapters/目次
characters/登場人物
ジョン・カーター | 地球人。赤色人の帝国ヘリウムの皇帝(ジェダック)タルドス・モルスの孫娘、デジャー・ソリスの夫 |
タルス・タルカス | 緑色人。サーク族の皇帝(ジェダック)。ジョン・カーターの親友。カーターを求めて巡礼の旅に出た |
カーソリス | カーターとソリスとの息子 |
スビア | 赤色人。サーン族に囚われた美しい女奴隷 |
イサス | 地底の都ホーリー・ランドを支配する生と死の女神 |
ファイドール | 白色人。ホーリー・サーンの教皇マタイ・シャンの娘 |
ゾダール | 黒色人。ブラック・パイレーツ、ファースト・ボーンの貴族 |
カントス・カン | 赤色人。ヘリウム帝国海軍総司令官 |
ホル・バスタス | 赤色人。ヘリウム帝国の貴族 |
ザット・アラース | 赤色人。ゾダンガの王(ジェド) |
history/初出
The Gods of Mars, Jan.-May,1913, The All-Story
The Gods of Mars, 1918, A. C. McClurg
commento/コメント
『火星のプリンセス』だけでも十分完成度の高い作品であったが、それだけに本作は、バローズが、そして火星シリーズが、すぐれたエンターテインメントへと発展していくための試金石となった1冊といえるだろう。
物語としてはゴッタ煮で洗練されてはいないが、『火星のプリンセス』で構築した独特の世界観を引き継いで、数々の異人種や異性物、ガジェット類を登場させ、異世界冒険ファンタジーとして完成させていく礎石となった作品である。
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