Illustrated by Motoichiro Takebe
厚木淳:訳/武部本一郎:画/火星用語辞典 東京創元社/創元推理文庫601-09 /1968.05.03初版/312頁
story/あらすじ
火星の大科学者ラス・サヴァスが作り出した合成人間たちは、ついにみずからの王国を建設して火星全土の征服にのり出した。ヘリウム海軍の青年将校ヴォル・ダーは彼らの手中にとらわれた愛する女性を救うべく、みずから合成人間に変身して死中に活を求めた。人間が愛と献身のため、自己の頭脳を醜怪な怪物に移植したとき、その人間は何を考え何を感じるだろうか? 怪奇と幻想、恐怖と戦慄のうちに展開するSF変身譚は作者バローズ快心の傑作として「火星シリーズ」中でもとくに高く評価されている。
chapters/目次
characters/登場人物
ヴォル・ダー | ジョン・カーターの親衛隊のヘリウムの士官。本編の主人公 |
ラス・サヴァス | 火星の大科学者兼外科医 |
ジャナイ | アムホールの美女。ヴォル・ダーの恋人 |
トル・ダル・バル | ホーマッド(合成人間) |
ティアイタン・オブ | |
ジャル・ハド | アムホールの大公 |
エイマッド | モルバス皇帝 |
ガンタン・グル | アムホールの殺し屋 |
タン・ガン | ガンタン・グルの体を手に入れたトル・ダル・バル |
ウル・ラー | ハストールの士官 |
ジョン・カーター | ヘリウムのプリンス、火星の大元帥。別名ドタール・ソジャット |
パン・ダル | ファンダル出身の赤色人 |
ガン・ハド | トゥーノル出身の赤色人 |
シトール | モルバスの赤色人将校(デュサール出身) |
history/初出
The Synthetic Men of Mars,Jan.7-Feb.11,1939,Argosy magazine
The Synthetic Men of Mars,1940,Burroughs
comment/コメント
オドロオドロしさでは火星シリーズ随一。化け物のような合成人間と、脳移植が簡単に行われるバルスームは、やはりERBの創造した異世界の中でも傑出している。ファンタスティックなのだ。ペルシダーはあくまで地球だし、アムターも大航海時代の地球のようだが、やはりバルスームだけは違う。R・E・ハワードの世界に近い? ヒロイック・ファンタジーだというと、ファンは怒るのかもしれないが。
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