Illustrated by Motoichiro Takebe
厚木淳:訳/武部本一郎:画/厚木淳:解説 東京創元社/創元推理文庫601-08 /1967.09.30初版/362頁
story/あらすじ
火星で猛威をふるう殺人請負業−秘密暗殺ギルドの討伐を決意した大元帥ジョン・カーターは、変名を使ってみずからその本拠地ゾダンガに潜入した。しかし敵もさるもの、暗殺ギルドはカーターの裏をかき、ヘリウムのプリンセス、デジャー・ソリスを誘拐して、火星の衛星サリアへと連れ去ってしまった。永遠の恋人を奪われたカーターは、敢然としてその救出に向かう。しかし衛星サリアは別世界だった。そこには不気味な透明人間とキャット・マンが住んでいた。巻を追ってますます佳境にはいる火星シリーズ!
chapters/もくじ
characters/登場人物
ジョン・カーター | 地球人。ヘリウムの王子 |
ラパス | アルシオ(ネズミ)とあだ名される卑劣漢 |
ファル・シヴァス | 老発明家 |
ガル・ナル | ファル・シヴァスに対抗する発明家 |
ウル・ジャン | 暗殺ギルドの首領 |
ザンダ | ファル・シヴァスの屋敷の女奴隷 |
ジャット・オール | カーターの部下 |
アル・ヴァス | タリッド皇帝 |
オザラ | タリッド皇后 |
アラー | オザラの女奴隷 |
アムカ | マセナ人。キャット・マン |
history/初出
Swords of Mars,Nov.1934-Apr.1935,Blue Book magazine
Swords of Mars,1936,Burroughs
comment/コメント
久しぶりに主役を張るジョン・カーターだが、ERBのヒーローものの定石でもあるヒロインの誘拐がやはりあって、ちょっと興ざめではある。舞台をバルスームから衛生フォボス(サリア)に移したのはなかなかのテクニックで、俗物の惑星と化しつつあった火星にあらためて異世界の雰囲気を導入できている。実はターザンの秘境もののテクニックの応用でもある訳なのだが。楽しめるからいいけど。
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