厚木淳:訳/武部本一郎:画
story/あらすじ
身の丈40メートルという雲を突く怪力無双の巨人が火星に誕生した。しかも、この巨人を背後であやつるのは奸智にたけた合成人間合成人間ピュー・モーゲルである。この巨人はいかなる肉体の損傷に対しても不死身であり、精鋭を誇るヘリウム空軍の攻撃も、ジョン・カーターの神速の剣技も通じない。いまや彼らはヘリウムのプリンセス、デジャー・ソリスを人質にし、大白猿の空挺部隊をひきいて、火星全土の征服に乗り出した。巨人とカーター、対決のときは刻々として迫る!
chapters/目次
characters/登場人物
ジョン・カーター | 地球人。ヘリウム帝国のプリンス。火星大元帥 |
タルス・タルカス | 緑色人。サーク族の皇帝。カーターの盟友 |
カントス・カン | 赤色人。ヘリウム空軍司令官 |
ラス・サヴァス | 火星の大科学者 |
ピュー・モーゲル | ラス・サヴァスが創った合成人間 |
history/初出
John Carter and the Giant of Mars,Jan.1941,Amazing Stories Magazine
John Carter of Mars,1964
comment/コメント
贋作の疑いのある問題作。R・A・ルポフによればERBの息子であるハーバート・バローズの作であるという。発表されたのは「火星の古代帝国」より前のため、シリーズ番号としては10「ジョーグ」、11「古代帝国」、12「骸骨人間」の順番になる。ERBの死後、「木星の骸骨人間」と一緒にペーパーバックにまとめられるまでは日の目を見なかった作品でもある。
確かに他の巻とは文体が違うようだ。ERBは添削だけを行った(だから正確には息子との合作)というのが、真実らしい。「合成人間」のアイデアの使い回しでもあり、いただけない。
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