月シリーズ(MOON series)

Illustrated by Motoichiro Takebe
Moon series volume 1:"The Moon Maid"

この本の表紙絵は権利者である故武部本一郎夫人・武部鈴江さんの許諾により転載しています

series list/シリーズ・リスト

  1. The Moon Maid,1923
    "The Moon Maid",1926
    「月の地底王国」ハヤカワ文庫SF4/関口幸夫:訳/金森達:画
    「月のプリンセス」創元推理文庫601-28/厚木淳:訳/武部本一郎:画
  2. The Moon Men,1925
    「月人の地球征服」
    「月からの侵略」
    "The Moon Maid",1926
    「月人の地球征服」ハヤカワ文庫SF8/関口幸夫:訳/金森達:画(2編収録)
    「月からの侵略」創元推理文庫601-29厚木淳:訳/武部本一郎:画(2編収録)
  3. The Red Hawk,1926
    「レッドホーク」
    "The Moon Maid",1926
    「月人の地球征服」ハヤカワ文庫SF8/関口幸夫:訳/金森達:画(2編収録)
    「月からの侵略」創元推理文庫601-29厚木淳:訳/武部本一郎:画(2編収録)

comment/コメント

 バローズはまごうことなきSF作家であったということを明確に示せる作品。バローズが壮大な未来詩を書いていたといったら驚くだろうか?
 ジュリアン一族と月人たちの逃走の歴史を描くシリーズ。火星を目指した宇宙船は月に不時着、その地底に広がる世界へと迷い込む。やがて、月人は地球に攻め込み、占領。多くの地球人は奴隷の身分に落ちるが、レジスタンス軍の奮闘により、やがて平和は取り戻される。数百年にわたる歴史は、時に軽快で、時に重く、まためくるめくものでもある。
 異世界冒険物語、社会闘争物語、未来冒険ウェスタンと、バラエティ豊かにバローズの世界が繰り広げられるこのシリーズは、バローズの作品として、またSF としてベストの評価を得ている傑作。バローズファンならずとも、必読の書。
 3作からなるシリーズだが、本国版はまず1冊にまとめられた。ただ、そのとき編集されてカットされているらしく、やがてノーカット版がペーパーバックで再刊されることになる。邦訳版はいずれもこの2分冊版によっている。第1話はバローズらしい異世界冒険物語なのだが(宇宙船の名前がバルスーム号であるあたりはお得意のご愛敬)、第2話は一転してくらい未来の社会小説であり、デッドエンドの結末になってもいる。第3話はウェスタンの構成で、バローズ展覧会とでもいうべきバラエティ豊かな構成となっている。お得なのはそれだけではない。このシリーズ、未来年代記の構成になっていて、その水準の高さは、かなりのもの。SFファンならば読み応えを感じること請け合い!

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