Illustrated by Motoichiro Takebe
厚木淳:訳/武部本一郎:画/厚木淳:解説 東京創元社/創元推理文庫601-21 /1975.05.16初版/350頁
story/あらすじ
地底世界に君臨する爬虫類マハール族を一掃して再建に乗りだしたペルシダー帝国は再び戦乱に巻き込まれてしまった。北方から凶暴な海賊が大挙して押し寄せ、ついにサリの若い戦士タナーは捕虜となり、いずこともしれぬ敵の本拠地へ連行されてしまったのだ。これを救出せんものと急遽、追跡にかかるペルシダー皇帝イネス。その昔、地上世界のカリブ海沿岸を荒らし回ったスペイン海賊を彷彿とさせる敵の謎を秘めた正体。その謎は謎を呼んで、ついに驚くべき地底世界の一大発見につながるのであった!
chapters/もくじ
characters/登場人物
ディヴィッド・イネス | ペルシダーの皇帝 |
アブナー・ペリー | ディヴィッドの老友 |
ガーク | ディヴィッドの老友、第一副官 |
タナー | ガークの息子 |
エル・シド | コルサールの統領 |
ステララ | エル・シドの娘 |
流血のボハール | エル・シドの副長 |
バルフ | 同 |
フェドール | ステララの実父。パラートの族長 |
ズーラル | ラルの族長 |
レタリ | ラルの乙女 |
ジュード | ハイム島の住民 |
スカーブ | ガーブの族長 |
グーラ | スカーヴの娘 |
ジャ | アノロックの王 |
history/初出
Tanar of Pellucidar,Mar.-Aug.1929,The Blue Book Magazine
Tanar of Pellucidar,1930,Metropolitan
comment/コメント
内容に関しては、ハヤカワ版で書いた以上に書き足すことはないが、この作品は、若いペルシダー人の冒険を描いたという点で、シリーズの他の物語とは趣を異にする。ペルシダーという異世界は地上人にとってはこの上ない秘境であり、ファンタスティックな世界だが、地底人にとっては日常的な生活の場なので、物語を描きにくいはずだからだ。そこはバローズ、逆手にとって、終盤の、地上世界との接点の大発見をさせることで地底人にとっての異世界探検を描ききっている。スペイン海賊の末裔とのであいもその延長線上か。
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