ターザンと蟻人間
Tarzan and the Ant Men(1924)
Illustrated by Motoichiro Takebe
高橋豊:訳/武部本一郎:画/森優:解説 早川書房/ハヤカワ文庫特別版SF110 /1973.10.31初版/303頁
story/あらすじ
初の単独飛行に勇躍出かけたターザンは、太古の昔から存在する人跡未踏の秘境にまぎれこんで、大木に激突、意識を失った! 気がつくと、彼を待ち受けていたのは、獰猛な女が男をしいたげている巨人族の洞穴であった。彼はやっとの思いでそこから脱出、今度は、身の丈、半メートル足らずのミヌニ人の一種族トロハナダルマクス族の王子を救ったのが縁で、彼らの宿敵ヴェルトプティスマクス族との激しい白兵戦に加わる! だが衆寡敵せず、大勢の敵兵に蟻のようにたかられ……気がついたときには、魔術学者の秘法にかかって彼自身寸足らずの小さな体に縮められていたのだ!
chapters/目次
characters/登場人物
ターザン | ジャングルの王者。英国貴族グレイストーク卿 |
ジェーン | ターザンの妻 |
ジャック | ターザンの息子 |
アデンドロハーキス | トロハナダルマクス国王 |
コモドフロレンサル | 同国の王子 |
エルコモエルハゴ | ヴェルトプティスマクス国王 |
ジャンザラ | 同国の王女 |
ゾアンスロハゴ | 同国の大科学者 |
タラスカル | 同国の女奴隷 |
カルファストバン | 同国の奴隷警備兵 |
カラフタップ | 同国の奴隷 |
history/初出
Tarzan and the Ant Men,Feb-Mar.17.1924,All-Story magazine
Tarzan and the Ant Men,1924,McClurg
comment/コメント
実はこのあたりになってくると、読んだという記憶は残っていても内容となるとほとんど覚えていない。ターザンという人物像はもう完成してしまっており、もはやターザンそのものに焦点を当てた物語づくりが困難になってきてしまっているのだろう。だから、今度はそのターザンというキャラクターをERBが考え出した架空の秘境・別世界に迷い込ませ、異世界でターザンはどう振る舞うか? といった物語手法になってしまうわけだ。つまり、秘境ものの始まりである。もちろん、これはこれで娯楽作品としてはおもしろい。ただ、ターザンをこれから読もうという人は、まず1〜8巻あたりを通して読んでもらいたいと思う。しかし、ターザンはよく気を失うヒーローだ。
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