Illustrated by Motoichiro Takebe
高橋豊:訳/武部本一郎:画/高橋豊:解説 早川書房/ハヤカワ文庫特別版SF111 /1976.01.15初版/230頁
story/あらすじ
有名なターザンの遠縁にあたることから”ターザンの双子”と称されるイギリスの少年ディックとドックは、夏休みを領地で過ごすようにと、ターザンから招待を受け、歓喜に胸躍らせながら列車の旅に立ったのだったが、突如転覆してしまったのだ! やがて、事故そのものよりも好奇心いっぱいのふたりは大人の注意にも関わらず閉ざされた”神秘の森”へと踏みいったのだが、轟くライオンの咆吼に冒険心もどこへやら、一目散に暗鬱な密林に逃げ込んでしまった……。しかし、待ち受けていたのはライオンよりも獰猛なオパルの逃亡者と人食い人種だった!
history/初出
Tarzan and the Tarzan Twins,1927
Tarzan and the Tarzan Twins with Jad-Bal-Ja,the Golden Lion,1936
contents/目次
ターザンの双生児の紹介
charactor/登場人物
ターザン | ジャングルの王者。英国貴族グレイストーク卿 |
ディック | イギリス生まれの少年 |
ドック | アメリカ生まれの少年 |
ゾピンガ | バガラ族の戦士 |
ブララ | 西海岸の黒人 |
ウクンド | ピグミー族 |
ガラ・ガラ | バガラ族の酋長 |
インタモ | バガラ族のまじない師 |
ムヴィロ | ワジリ族の戦士 |
グルム | オパルの太陽崇拝者 |
ブルク | |
ウルプ | |
カール・フォン・ハーベン | ウランビ地方の宣教師 |
グレートヘン(クラー) | カール・フォン・ハーベンの娘 |
comment/コメント
少年向けに書き下ろした2作品を1冊にまとめたもの。シリーズ番号は単行本の初版刊行年度に依っているので、この1冊は前半が第11巻、後半が第20巻ということになってしまう。ただし、2冊分をあわせてもきわめて薄いし、のちにシリーズとしてまとめたさいには本国版においても合本にしているようだ。また邦訳も、そちらに依っていると思われる。本国ではジュブナイルということで正規のシリーズに含まない考えもあるようだ。
読者層を意識してのことか、ジャド・バル・ジャやオパルなど、おなじみの設定が顔を出すバラエティ版となっている。子供が相手ということで、ターザンも保護者的というか紳士的というか、普通の人間として描かれてしまっている。そこがほほえましくもあるのだけれど、ターザンを読みたい、という向きには不満も残るかもしれない。
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