ターザン・シリーズ11 TARZAN series 11
ターザン・シリーズ20 TARZAN series 20

ターザンの双生児
Tarzan and the Tarzan Twins(1927)
Tarzan and the Tarzan Twins with Jad-Bal-Ja,the Golden Lion(1936)

Illustrated by Motoichiro Takebe

高橋豊:訳/武部本一郎:画/高橋豊:解説 早川書房/ハヤカワ文庫特別版SF111 /1976.01.15初版/230頁

この本の表紙絵は権利者である故武部本一郎夫人・武部鈴江さんの許諾により転載しています

story/あらすじ

 有名なターザンの遠縁にあたることから”ターザンの双子”と称されるイギリスの少年ディックとドックは、夏休みを領地で過ごすようにと、ターザンから招待を受け、歓喜に胸躍らせながら列車の旅に立ったのだったが、突如転覆してしまったのだ! やがて、事故そのものよりも好奇心いっぱいのふたりは大人の注意にも関わらず閉ざされた”神秘の森”へと踏みいったのだが、轟くライオンの咆吼に冒険心もどこへやら、一目散に暗鬱な密林に逃げ込んでしまった……。しかし、待ち受けていたのはライオンよりも獰猛なオパルの逃亡者と人食い人種だった!

history/初出

Tarzan and the Tarzan Twins,1927
Tarzan and the Tarzan Twins with Jad-Bal-Ja,the Golden Lion,1936

contents/目次

ターザンの双生児の紹介
  1. 脱線
  2. 二人の若いターザン
  3. 密林の朝
  4. バガラ族の酋長
  5. 人食い人種
  6. 消えたナイフ
  7. 頭を割れ
  8. 好意の密告
  9. ワジリ族
  10. 脱走
  11. 狩猟記念品
  12. ふたたびジャングルへ
  13. 太陽崇拝者たち
  14. 危険がすぐ前に
  15. 獲物を横取りにするとは!
  16. 作戦
  17. きわどいところで
  18. 三人の仲間
  19. 待ち伏せる
  20. 絶望
  21. 奇襲作戦
  22. いけにえ
  23. 終幕

charactor/登場人物

ターザン ジャングルの王者。英国貴族グレイストーク卿
ディック イギリス生まれの少年
ドック アメリカ生まれの少年
ゾピンガ バガラ族の戦士
ブララ 西海岸の黒人
ウクンド ピグミー族
ガラ・ガラ バガラ族の酋長
インタモ バガラ族のまじない師
ムヴィロ ワジリ族の戦士
グルム オパルの太陽崇拝者
ブルク
ウルプ
カール・フォン・ハーベン ウランビ地方の宣教師
グレートヘン(クラー) カール・フォン・ハーベンの娘

comment/コメント

 少年向けに書き下ろした2作品を1冊にまとめたもの。シリーズ番号は単行本の初版刊行年度に依っているので、この1冊は前半が第11巻、後半が第20巻ということになってしまう。ただし、2冊分をあわせてもきわめて薄いし、のちにシリーズとしてまとめたさいには本国版においても合本にしているようだ。また邦訳も、そちらに依っていると思われる。本国ではジュブナイルということで正規のシリーズに含まない考えもあるようだ。
 読者層を意識してのことか、ジャド・バル・ジャやオパルなど、おなじみの設定が顔を出すバラエティ版となっている。子供が相手ということで、ターザンも保護者的というか紳士的というか、普通の人間として描かれてしまっている。そこがほほえましくもあるのだけれど、ターザンを読みたい、という向きには不満も残るかもしれない。 

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